ヒーリング・アーツ/熱鍼法研究

かつて民間の療術として一大ブームを巻き起こすも、創始者の早すぎる死によって現在は一部のみに残り伝わった『平田式心療法』。これを『熱鍼法』という名のもと、様々な可能性の開花をもたらすヒーリングの術(アート)として研究・実践しています。

2013年12月

平田式十二反応帯の発見まで (2)

 平田式心療法において、初期に発表された原稿ではヘッド氏帯等の先行研究を参考にした、脊髄神経による皮膚の知覚支配分布(デルマトーム図)を基準にした方向と区分が指示されていた、ということは前回述べました。

PC080708

 が、続いて刊行された資料、例えば昭和5年の末に発行された『心療図解』では、新たに東洋医学の経絡と経穴を刺激することが加えられています。

 過敏な反応が起こる部分に集中して施術するのが心療法(熱鍼法)の原則ですが、平田内蔵吉が施術を重ねていく中で反応がある部分を調査していくと、経絡・経穴と呼ばれるライン(線)やポイント(点)が、特に反応が起こりやすい部分として必然的に浮かび上がってきたようです。
 彼自身は、一時期はこれらは根拠のない古い迷信であるという考えに傾いたが実際の施術の中では逆にそれらの存在を認めざるをえなくなった、という事を後に述べています。

 心療法を興す少し前、内蔵吉は義母の胆石痛に効果を発揮した無痕灸(灸の痕が残らないタイプのお灸)の提唱者・加藤幾太郎の研究所で所員として参加していました。
 加藤氏は科学的な検証の中で灸の温熱効果に効果を認める一方、経絡・経穴は迷信として否定的な立場の人物でした。
 内蔵吉はその科学的態度に共鳴して当初は研究に参加していましたが、施術の中でしだいに経絡・経穴の存在を確認・確信するようになったため、結果的に独自の道を歩むことになったようです
 
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 私自身は鍼灸の徒ではありませんが、現在の私たちが実際に熱鍼法で刺激を行なう場合にも、体験的に経絡の存在を実感することがあります。
 例えば背部の施術であれば、下図の青矢印の方向に背骨から脇に向かって連続して刺激を行なっていると、強く反応する場所が背中の上下に線を引いたかのように同じ位置(赤い点の場所)にあらわれ、線の位置を確認すると、ちょうど経絡で「膀胱経」と呼ばれるラインと重なっていた、などということがしばしばあるのです。

point

 内蔵吉の著作の中では、経絡を「知覚過敏線」、経穴を「知覚過敏点」と表現している部分もあります。

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 昭和6年から全6巻の『民間治療法全集』の刊行が始まり、その年の内に怒涛の勢いで『第1巻 整体指圧温熱・水治療法全集』『第2巻 和漢洋自療薬・営養療法全集』『第3巻 経絡・経穴・刺激療法全集』『第4巻 治病強健術・熱鍼療法全集』が出されますが、これは自身の心療法を含めた当時の民間療法・東洋医学の総ざらえ的内容で、改めて経絡・経穴の重要性が説かれています。

 この経絡という人体に対する上下方向の縦の線に、突然、横の線・帯である「平田式十二反応帯」が加わるのは昭和7年、『弁証法教典』の出版による発表からになります。




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無料公開されているWEB資料について

 現在「平田式十二反応帯」について続稿をまとめております。

 時系列や言及箇所の参照のためにいくつもの資料をとっかえひっかえしているのですが、気付けば手元の資料がかなりの数になり、どの資料のどこに自分が今探している該当部分があるのかを探すのに毎回ひと苦労、という有様です。

 古い資料ですので古書としてそれなりの価格となっており、出回っている数自体も多くなく、ちょっと興味をもった程度の方が気軽に買って読んでみようというわけにはいきません。 
 しかし現代は便利な時代になったもので、国立国会図書館が著作権の切れた一部の書籍に関しては、PCで誰でも無料で読めるデジタルデータとして公開しています。
※近代デジタルライブラリー 
(著者名やタイトル、キーワードで検索ができます)

 そこで平田内蔵吉の療術や体育に関する著作の一部、
 『民間治療法全集. 第1巻 (整体指圧温熱・水治療法全集)
 『民間治療法全集. 第2巻 (和漢洋自療薬・営養療法全集) 
 『心療医典
 『平田式療術医典. 方法篇
 『安臥法
 『軍隊体育の研究
 といったものを読むことができます。

 ちょっと変わったところでは平田内蔵吉の詩集、『美はしの苑 』もあります。
 大変ありがたいことです。



 が、「できれば『民間治療法全集』は全6巻すべて公開して欲しかった……」「背表紙が割れていて開くとどんどん本が真っ二つに裂けてくるので、『弁証法教典』のスキャンデータを公開してくれていれば……」などと、つい思ってしまったりもする日々なのです。

 さて、 今後は平田氏帯の続きと平田内蔵吉による経絡・経穴の取り扱い、そして彼の創出したいくつもの「経絡体操」について触れていく予定です。


 
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平田式十二反応帯の発見まで (1)

 現在にもその名の残る平田氏帯平田式十二反応帯は、その名の通り平田内蔵吉が定めたものです。

 平田内蔵吉以前にも、内臓器官に不具合が生じた時に体の皮膚が赤くなったり痒くなったり知覚過敏が起こることを発表した「ヘッド氏帯(Head's zone)」の情報は我が国にも伝わって知られていました。
 また、東洋医学における経穴(ツボ)・経絡との関係も知られていました。

 どちらについても内蔵吉は研究し、あるいは有名な療術師を訪ね、あるいはそれぞれの効果を確認していたようです。

 一方、延べ数千人という数多くの施術経験を重ねていく中で、それら伝えられている場所以外にも過敏な反応が起こることにも着目していました。

 対応部位とともに刺激部位や刺激方向に関しても、さまざまな試行や変遷があったことは発表された書籍などからうかがい知ることができます。
 昭和5年の段階で、7月に刊行されベストセラーとなる『平田式心療法 ~熱鍼快癒術』や、それに先立つ3月に研究会の会員向けテキストとして刊行されていた『平田式心理療法』(心療専門学院)では、ヘッド氏帯の図や皮膚知覚帯(デルマトーム)と呼ばれる脊髄神経による皮膚知覚支配分布にのっとった刺激を行なっていた様子が見られます。


 『平田式心療法 ~熱鍼快癒術』の刊行時の図譜。
 皮膚知覚帯が基準になっていた。
※参考 医学用語集めでぃっく 「デルマトーム」の項

PC080710

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 テキスト『平田式心理療法』(心療専門学院)内に掲載されていた対応部位の図。
※海外サイトのヘッド氏帯の説明当時発表されていた図
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